当社に実際に寄せられたM&A相談をもとに、関係者のプライバシーおよび秘密保持に配慮し、一部の内容を加工・再構成して掲載しています。
相談の背景
中華麺、うどん、そば、餃子皮などを飲食店や学校給食、スーパーへ供給する生麺メーカーから、事業承継について相談をいただきました。代表者が高齢となり後継者がいない一方、得意先からは供給の継続を求められていました。
惣菜や業務用食品を製造し、冷蔵物流と販路を持つ企業への事業譲渡を選択肢に、工場、雇用、商流、品質記録、レシピ、屋号をまとまりとして引き継ぐ方法を検討しました。
重視した条件
従業員の雇用と屋号、得意先別の味と納品時間を残すことを重視しました。代表者の個人保証、工場不動産の扱い、家族の意向も確認事項とし、必須の条件と話合いが可能な条件を整理しました。
製造技術は帳票だけでは伝わらないため、秘密保持と段階的な開示、主要担当者との面談、試作や並走する期間を合わせて検討する方針でした。
整理したポイント
商品別の配合、加水率、切刃、麺線長、打ち粉、熟成時間などを、担当者の判断と結び付けて整理しました。気温や湿度、粉の違いに応じた調整、個店ごとの仕様、早朝の生産と冷蔵配送についても、誰が役割を担うかを確認しました。
固定資産台帳と現物を照合する事項を整理し、製麺機、包装機、ボイラー、冷蔵庫、排水設備の稼働・保守状況を確認する方針としました。決算上の利益だけでなく、代表者に関わる費用や先送りされた修繕、更新の必要性も検討事項に含めました。
引継ぎに向けた確認事項
口頭での発注がある取引や契約の状況、必要な資産と従業員、許認可に関する手続きを確認する項目に挙げました。代表者に集中する製造、営業、配合承認、資金繰りなどの機能を分け、候補先が担う役割を検討しました。
情報を早く広げ過ぎず、現場教育も遅らせないよう、開示と引継ぎの順序を整理しました。既存の食感と納品を継続するために、現場の記録と担当者の説明を合わせて確認する条件としてまとめました。

